直播栽培における雑草管理の難しさ
ドローンによる直播(じかまき)は省力化に優れる一方で、雑草発生リスクが高く、除草剤の選定・散布が成否を分ける要素になります。
とくに中干し後のヒエなどの雑草に対してはロイヤント乳剤や他の除草剤との混用を推しています。


100L散布はドローンに不向き
移植の場合は薬剤200mLに対して水25Lで散布することが最低の散布量となっています。
しかし直播栽培の場合は薬剤200mLに対して水100Lで使用することになっており,反あたり75Lも散布量が多くなります。
項目 | 移植 | 直播 |
---|---|---|
ロイヤント | 200mL | 200mL |
水 | 25~100L | 100L |
例えば3反の散布でも薬液300L必要でそもそもドローンでする仕事ではないという感覚ではありませんでした。
T25/T50の24L/分散布が100L散布も運用可能に
・1フライト20L程度が約40秒で完了する
・フライトが短いためバッテリーが意外と持つ
・散布時間も短く、給水地点の工夫で回転率が上がる
結果として、従来は「労力がかかりすぎる」と敬遠されていた100L散布が、機体の進化によって運用可能な領域に入ってきたのです。見た目は迫力満点ですが、他の作物の飛散には注意が必要です。
まとめ:薬剤の「良さ」を生かすには、機体と希釈の両輪が必要
ロイヤントは確かに効果の高い除草剤ですが、その希釈倍率や使用条件がドローン散布の現場にマッチしない限り、普及には限界があります。
しかしT25/T50の登場により、かつての常識が覆り始めているのも事実。少量散布の承認が降りていけば、直播圃場における“ドローン×ロイヤント”は現実の選択肢として成立していくと思います。