株式会社ユキイプラスでは、直播圃場にて「ユートリシャN」を中心とした葉面肥料散布を実施しました。
目的は“窒素吸収の最適化”と“生育ブースト”
今回の散布は、すでに一発肥料を施用済みの圃場に対し、「効果をより安定・持続させる補助的な施肥」として実施したものです。
一発肥料は基本的に作期全体をカバーできるように設計されていますが、異常気象などによって、後半でやや効きが弱くなる可能性が指摘されています。
そこで今回は、葉面からの窒素供給によって、必要なタイミングで必要な分だけ効かせるという考え方で、ユートリシャNを散布しました。土から吸うのではなく、葉から直接吸わせることで、より即効性と効率を高める狙いがあります。
このように、「一発で終わらせる」だけでなく、“一発を活かしきる”ための工夫として、今回のような葉面施用を組み合わせることが、これからのスマートな追肥の選択肢になると考えています。
ユートリシャNとは?
ユートリシャNとはコルテバが開発したバイオスティミュラント資材です。これまで植物の窒素吸収は地中からのみでした。こちらの商品は葉面散布で使用することで、含有成分であるメチロバクテリウムが空気中の窒素を固定し、植物が効率よく吸収できる状態をつくります。分げつ期(移植なら6月上旬〜中旬、直播なら6月下旬ごろ)が散布の最適時期とされており、タイミングとしてもベストな状態で行うことができました。
また、ユートリシャNはコスト面でも優れており、従来の追肥に比べて安価で済むのも魅力です。

今回追加した資材
今回の葉面散布では、ユートリシャNに加え、以下の資材も併用しました:
- べっかい(水溶性メタン発酵消化液)
→ 微量の肥料を補う資材で、窒素吸収力の底上げと、除草剤の効き目を高める効果が期待できます。
少しふんの匂いがします。

- ビール酵母(通称 イーストガード)
→ 植物にポジティブストレス(軽い刺激)を与えることで、植物本来の活性力を引き出すバイオスティミュラント。
分げつ後の成長を後押しする狙いで使用しました。
チョコを発酵したような匂いがします。

今後も挑戦と検証を重ねながら
今回のような資材の組み合わせは、単なる追肥ではなく「植物の状態に合わせた的確な補助」を目的としたものです。
これからも、圃場ごと・作物ごとに最適な散布方法を模索しながら、地域農業に役立つ技術を提案し続けていければと思っています。